初代 吉右衛門の芸を受け継ぎ、次代に伝承する公演 「秀山祭九月大歌舞伎」 観劇報告

2019.09.18

明治・大正・昭和の歌舞伎会に大きな足跡を残した初代吉右衛門の芸を称える「秀山祭九月大歌舞伎」観劇に、9 月18 日に行ってまいりました。

残念ながら、中村吉右衛門さんが体調不良のため休演されており、開演前の楽屋訪問はなりませんでしたが、 偶然この日に観劇会を開いていた日本橋東RCの皆さんとご一緒に、大勢で歌舞伎を楽しみました。

第一幕の「寺子屋」。吉右衛門さんが演じるはずだった松王丸を演じた尾上松緑さん、私の席の近くに座られていたご婦人の「松緑で心配だったけど、良かったわねえ」という言葉が印象に残っております。忠義のために実の子を犠牲にした松王丸の苦悩が、悲しいほどに伝わってくる、好演だったと思います。

私は、残念ながら仕事の都合で、第一幕終演後に泣く泣く歌舞伎座を後にしましたが、他の皆さんは最後まで楽しまれたことと思います。来年は幹事として、また楽しい観劇会を開催したいです。

最後に、お席の手配をいただいた佐藤直前会長に御礼を申し上げます。ありがとうございました。


以前、お仕事で吉右衛門さんに取材の機会を頂いた折、当地界隈の思い出について、

「恋文横丁など、人形町界隈の町並みには今も独特の風情が残っていますね。最近では「鳥安」さんに伺うくらいですが、10 代、20 代の頃には、明治座の舞台がはねた後、芝居帰りのお客様に紛れて界隈を歩くこともございました。つづら屋さんに三味線屋さんといった店や、しもたやが並ぶ人形町の独特の町並みは、現在もあまり変わらないのが嬉しいですね。東京中がビルの立ち並ぶ同じような顔つきなってしまった今、ぜひ残して頂きたい景色です」。

と、お話されていました。昔ながらの「味・町・芸」をそれぞれの立場で守り続けたいというメッセージを発信されているように感じました。

S.A.A. 大山充史